9月19日に発売された米・アップル社のスマートフォン「iPhone6」。前作から2年ぶりの本格モデルチェンジとなった新機種は、ディスプレイが大型化された「6」と「6Plus」の2種類展開で、最大の特徴はNFC(近距離無線通信)によるモバイル決済サービス(Apple Pay)ができるようになったことだ。
しかしユーザーからは早くも落胆の声が広がる。
「モバイル決済は要するに『おサイフケータイ』のことでしょ。日本では何の新鮮味もないサービスですよね」(30代男性)
携帯電話に詳しい木暮祐一・青森公立大准教授はこう指摘する。
「モバイル決済機能は日本では10年前から搭載されており、ようやくといった感じは否めません。しかも今回のサービスは日本では使えない。
国内通信キャリアのネットワークに対応し、通信速度は速くなりますが、これも想定の範囲内。期待値が大きかっただけにやや期待外れの印象は拭えない」
iPhoneは先進的なデザインが人気の原動力でもあったが、6はカメラのレンズ部分が端末から出っ張っており、「イボみたいに見える」(20代女性)など評価はイマイチ。さらにユーザーを嘆かせたのは“巨大化”だった。
前作の「5」は4インチディスプレイに留め、大型化する他のスマホと一線を画してきた。だが6は4.7インチ、6Plusは5.5インチと一気に大きくなった。そのままでは片手で操作できないことをアップル側も理解しているのか、画面が下半分のみ表示されるようになる「片手操作モード」が搭載された。ただしこれも国産スマホでは従来からある機能。
「iPhoneは幅58ミリで、片手で握っても親指で操作できる“馴染みやすさ”が女性に支持されてきた。6は幅67ミリ、6Plusは幅77ミリと巨大化したことで、iPhoneにこだわる理由が薄れてきている。さらにこれまでiPhoneを乗せるだけで使用できたオーディオなど、周辺機器が使えなくなることも危惧されています」(前出・木暮氏)
※週刊ポスト2014年10月3日号