セ・リーグ優勝へのマジックナンバーを着実に減らしている巨人のセ・リーグ3連覇の瞬間が近づいてきた。かつて巨人戦のナイター中継が毎試合放送されていた頃であれば、巨人の優勝は“国民的行事”と言えるほどの盛り上がりを見せていたが、今では優勝決定試合すら地上波全国ネットで放送されるかどうかが微妙な状況になっている。テレビ局関係者はこう話す。
「巨人戦はとにかく視聴率が獲れない。今年、2ケタに乗ったのは開幕戦だけ(9月20日現在)。今は、どの局もゴールデン帯の番組で苦戦していますが、巨人戦の視聴率7~8%台では、合格点とは言えません。まして、巨人のお膝元とも言える日本テレビは視聴率好調で、ゴールデン帯の番組はたいてい2ケタを超える。それらの番組を中止してまで、1ケタの巨人戦を持ってくる意義がないのです」
さらに、昨年、日本テレビで起こった“事件”が、各局を優勝決定試合の地上波中継から及び腰にさせているという。
「昨年9月21日、日テレは確実に視聴率が取れる『世界一受けたい授業』の2時間スペシャルに差し替えて、ナイターの巨人優勝決定試合を急遽、放送しました。しかし、視聴率はわずか5.1%に終わった。日テレにとって、この数字は本当に痛かった。
土曜の日テレは、18時開始の『名探偵コナン』から22時台の『嵐にしやがれ』まで2ケタが続く週もある。まさに“ゴールデンタイム”なのです。特に、19時台『志村どうぶつ園』、20時台『世界一受けたい授業』は2ケタ確実です。その枠で、5.1%では……。
実際、その日の日テレは、ゴールデン帯の視聴率で、テレビ東京にも抜かれ、最下位に終わりました。そして、全日視聴率でも3位に沈んだ。これは、かなり珍しいこと。その月の他の土曜日は、全日、ゴールデン帯ともに、すべて1位でしたから、巨人戦が足を引っ張ったことは明白です。しかも、差し替えられた『世界一受けたい授業』は、3週間後にオンエアーされ、12%を獲りました」(同前)
これでは、優勝決定試合といえども、放送しづらくなってくるのもうなずける。日本テレビ関係者が話す。
「日テレは開局以来、巨人戦に相当助けられてきました。だから、できれば無下にはしたくない。ただ、クライマックスシリーズが導入されたことで、一般視聴者にとって、ペナントレースの優勝への興味が薄くなっているのもまた事実。それでも、9月17日、広島対巨人の首位攻防を広島地区で放送したRCC 中国放送は、視聴率27.2%を取っていますからね……。単純に、巨人人気が落ちたと言えるのかもしれません」
今後の巨人戦の日程は、25日の中日戦(ナゴヤドーム)、26~28日の横浜DeNA戦(横浜スタジアム)と続く。いずれも、現時点での放映予定はBS、CSのみとなっているが、はたしてどうなるか。