9月24日から1泊2日で青森を訪問される天皇皇后両陛下。これは天皇陛下が80才を迎えられた昨年から始まった私的旅行で、今年の秋、その旅行先に選ばれたのが青森だった。
この私的旅行は、いわゆる“公式”ではなく、“休暇”の意味合いが強いご旅行であるにもかかわらず、ゆっくりと好日を楽しまれることよりも、地元の人々との交流を持たれようとされている。そこには、こんな思いが込められているという。
「今回の青森訪問は両陛下のたっての希望だったということです。被害が大きかった岩手、宮城、福島には何度も足を運ばれていましたが、青森にはなかなか機会がありませんでした。そのため、私的旅行を利用して被災者を励まそうと考えられているのです。ですから、現地での訪問先も震災の影響を受けた場所を中心に選ばれたわけです」(皇室記者)
私的な旅行でさえ、国民のために時間を費やされる両陛下。今年に入ってからも、おふたりはお休みをあまり取られていない。
「元日の新年祝賀の儀を皮切りに全国戦没者追悼式、全国植樹祭、国民体育大会などへのご出席、また国事行為に関連したものなど、さまざまな公務がおありです。宮内庁の発表によれば、1月は、陛下は8日、美智子さまは10日しかお休みになられていません。2月も陛下は8日、美智子さまは9日のお休みしかなく、今年は月平均9日の休日しか取られていないのが両陛下の現状なのです」(前出・皇室記者)
厚生労働省の就労条件総合調査結果の概況によれば、年間休日総数の平均は112.6日。つまり月平均で約9日。ご高齢にもかかわらず、両陛下は日本の平均就労者、いわば働き盛りの一般サラリーマンレベルで公務を続けられているのだ。さらに、ご公務がない日でも、両陛下はお休みというわけではない。
「公の予定がない日、両陛下は近々の公務の内容を確認され、じっくり時間をかけて、多くの資料をお読みになって勉強されています。また、地方への行幸啓の際は、事前に訪問先の関係者を皇居に呼ばれ、詳しく話をお聞きになるのです。今回の青森訪問の場合も、担当者から県政や災害復興状況のレクチャーを受けられたはずです」(皇室ジャーナリスト・神田秀一氏)
そして、今回の私的旅行では、夜も眠れない状況になる可能性もあるという。
「両陛下は、先日、宮内庁が四半世紀を懸けて完成させた『昭和天皇実録』に、目を通さなくてはなりません。全60巻、1万2000ページもありますから、今回の私的旅行でも、『実録』の一部をご持参なさって、お読みになられると、うかがっております」(宮内庁関係者)
10月20日には、美智子さまも80才、傘寿をお迎えになる。一般の人なら、すでにリタイアしてのんびりとした生活を送る年齢だが、両陛下は今も“国民のために”と命を懸けて、その責務を全うされているのだ。
※女性セブン2014年10月9日号