旨い肴をつまんで酒を酌み交わし、極上のそばでシメる──。秋の夜長にそんな幸せな時間を味わえるそばの名店として紹介するのは、東京・神楽坂の「蕎楽亭」(きょうらくてい)。神楽坂の裏通りに佇む、ミシュランが認めた店だ。
「呑めるそば屋」を目指したというだけあり、酒肴が充実。店主の出身地・会津の郷土料理である馬刺しやこづゆのほか、天ぷらにも力を入れており、揚げたてを一品一品提供するためのカウンター席を設ける。
10種類以上が揃う酒も「飛露喜」「泉川」「奈良萬」など福島の地酒が豊富で、半合から注文できるのも嬉しい。会津産の玄そばを用いたそばは香り高く、噛むほどに甘みが増していく。
ざるそば(並そば/972円)は、十割そばながら繊細な喉越しで、やや甘めのつゆとの相性が抜群。牡蠣そば(2160円)は、旬を迎える牡蠣が入った温かいそば。青菜、三つ葉、海苔、えのきだけ、昆布巻き蒲鉾など、香りや食感の異なる具材が楽しい。
◆蕎楽亭
【住所】東京都新宿区神楽坂3-6 神楽坂館1F
【営業時間】火~土:11時半~15時、17時~21時、月:17~21時
【定休日】日・祝
撮影■岩本朗
※週刊ポスト2014年10月3日号