中国の習近平指導部が強力に進める腐敗一掃キャンペーンで、逮捕者が急増し、北京市郊外の秦城刑務所は手狭になり拡張工事に追われている状態であることが分かった。米国に拠点を置く中国情報専門の華字ニュースサイト「博訊(ボシュン)」が伝えた。
北京市政府高官によると、すでに9月に入って10人の局長級幹部と3人の次官級幹部が逮捕されており、秦城刑務所は服役囚で満員。習近平指導部は今後も腐敗幹部摘発の勢いを緩めるつもりはなく、今後も服役囚は増えるのは確実だけに、刑務所側は今年の夏の初めから拡張工事に入っている。
中国共産党員の不正捜査機関・党中央紀律検査委員会によると、習近平指導部発足以降、摘発された幹部数は2012年12月6日~2014年4月11日の492日間で285人。これは毎週平均4人のペースだが、今年3月27日には1日だけで12人が逮捕されている。
逮捕者の役職は党委政府部門の局長級幹部が全体の約7割の184人で、現場レベルで実質的な決定権を持つのが局長級幹部であることが分かる。年齢別では1950年代生まれが最も多く全体の52.7%と半分以上を占めている。年齢的には55歳以上となる。
一方、汚職ではなく、実質的な刑事罰は伴わないが、習近平国家主席が2012年12月に発表した会議や接待、視察、報告は簡素にするなどという「党員として遵守すべき八項規定」に違反したとして、処分・戒告を受けた幹部は2014年3月末時点で4万2000人に達しており、その数は逮捕者に比べて飛躍的に多いことが分かる。