今年は開創1200年となる「四国遍路」。11月に新著『ナオミとカナコ』(幻冬舎)が発売される作家の奥田英朗さんも、お遍路を楽しむ一人だ。お遍路には決まったルールがあり、常に厳粛な気持ちでいなくてはいけないのか――決してそうではないのが奥田さん流の楽しみ方だ。
2008年11月末、奥田さんは香川県へと2泊3日の旅に出る。まず向かった先は「讃岐うどん」のお店。それからお遍路装備一式を購入し、75番札所の善通寺へ。閏年のその年、縁起のいい逆打ちで74番、73番…と66番札所の雲辺寺まで遡っていく。
大変なところは無理をせず、観光タクシーに乗る脱力ぶり。夜は温泉とビール。「うっしっし。スタンプラリーは楽しい」とうそぶきつつも巡礼する人々に敬意を払い、とにもかくにもうどんを食す。
「私のやったお遍路は、たった2日間だったし、観光ガイド・タクシーを利用してるし、とても『振り返ってどんな旅だったか』というようなものではありませんが、お遍路を経験してよかった。行くと楽しいと思いますよ」(奥田さん)。
※女性セブン2014年10月9日号