飛行機のCA(キャビン・アテンダント)といえば今も昔も花形職業の1つだが、そのイメージ作りに大きく寄与したのが、往年の人気ドラマ『スチュワーデス物語』だ。1983~1984年放送の『スチュワーデス物語』(TBS系)に主演した堀ちえみ(47)は、今も役名・松本千秋宛のファンレターを受け取るという。人気の秘密の一つに制服へのこだわりがあったようだ。
──『スチュワーデス物語』はJALの6代目の制服を使った作品だった。
堀:実は細かい違いがあって、本物は冬場は長袖のシャツを着ますが、私たちは秋から冬の撮影だったのに半袖だった。新米CAたちの元気でひたむきなイメージを出すためにそうなりました。ただ、撮影中はとにかく寒い。空港での撮影で本物のCAの方を見るたびに「私も長袖を着たい!」と思いました(笑い)。
あと、役ごとにスカーフの巻き方も違います。私は真面目だけが取り柄の役ですから、普通のリボン結び。大阪出身の春やすこさん(池田兼子役)は元気なイメージで少し長めに結び、おしゃれな設定の役は短くしてみたり。
──制服に関する苦労は?
堀:当時、JALの国際線では機内でCAの方が着物になるサービスがあって、トイレで着替えていたんです。それを忠実に再現して早着替えをしたのですが、狭くてなかなかうまくいかない。制服姿での歩き方のレッスンでは1メートル定規を背中に入れ、頭の上に本を載せて歩きました。そこまでしても役柄は「ドジでのろまなカメ」なんですけどね(笑い)。
──それだけに制服姿が視聴者の印象に残ったのではないか。
堀:そうですね。本物を追い求めた結果、今も現役CAの方から、「堀さんの制服姿に憧れてこの仕事を選びました」と声をかけていただきます。
※週刊ポスト2014年10月3日号