着ぐるみに入って演技する俳優「スーツアクター」。昨今のゆるキャラブームに加え、公開中の映画『イン・ザ・ヒーロー』で唐沢寿明が演じて広く知られるようになった。“表”の見た目とは裏腹に、彼らの実情は想像以上に過酷だ。サウナのような暑さは当たり前。セクハラされたり、アクションシーンでけがを負ったり、ゆる~くない涙涙の物語。
犬山秋彦さん(38才)は、ゆるキャラ研究家で自ら『戸越銀次郎』(東京都品川区戸越銀座商店街のマスコットキャラクター)などに入っている“中の人”でもある。
「2000年ごろから商店街のかたと活性化のために始めました。最初はボランティアだったので無料でやっていました。今は1回のイベントで5000円ほどの出演料をいただいています」(犬山さん)
犬山さんによれば、ゆるキャラのスーツアクターの相場は無料~5000円、高くても1万円程度だという。ゆるキャラ界の売れっ子、ふなっしーの年収は7億円と報じられているから、収入はピンキリのようだ。収入格差があるゆえか、ゆるキャラ界では、こんな“区別”がある。
「ゆるキャラが一堂に集まるイベントでは、ふなっしー、くまモン、ひこにゃんなどの控え室は個室です。その他大勢は大部屋にギュウギュウ状態で押し込まれます。着替えの写真を撮られてSNSなどに流されないよう防衛策が必要なんです」(犬山さん)
ゆるキャラは地元の人々と直接ふれあうことが多い。だからこそ、こんな苦労がある。
かわいいイメージがあるから、中に女性が入っていると思う人が多い。胸を触ってくる人がいるんです。男だとわかると残念そうな顔をして去って行く…困ったものです」(犬山さん)
ゆるキャラは大変なっしー!
※女性セブン2014年10月9日号