なぜ「中国毒食品」はなくならないのか。その根底には、日本人とは相容れない中国人特有の「衛生観念」があるはずだ──そのことを間近で観察するため、上海の寿司屋にバイトとして潜入した上海在住のジャーナリスト・西谷格氏が、勤務3日目と4日目の様子をリポートする。
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【3日目】
焼き場では、解凍済みの焼き魚をレンジで温めたり、唐揚げ用の鶏肉を切り分けたりした。唐揚げ用の鶏肉が入った大型の容器に先輩社員が新しい肉を追加していたときのこと。新しい肉の詰まったその容器のなかに、それまで床に置かれていた小鍋を放りこんだのだ。
さっきまで床に触れていた鍋底が、今度は肉に直接触れているのである。唐揚げにして火を通すから問題ないという意識なのだろう。
【4日目】
この日の夜のまかない飯は、川魚と高菜の煮物だった。50cmほどもある鯉のような魚を厨房で取り出すと、おもむろにまな板を床に置き、ヤンキー座りでさばき始めた。
ウロコや血などで周囲が汚れても床で調理すれば水でサッと流せて楽なのかもしれないが、床上調理は日本人の倫理としては一線を越えているような気がする。せめて新聞紙か何か敷いて欲しい。
※SAPIO2014年10月号