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「腰痛の時は安静にすべき」はウソ 可能な範囲で動くべき

 多くの人が悩まされている腰痛。世の中では、いろいろな腰痛に関する言説が飛び交っているが、間違っているものも少なくないという。

 たとえば「腰痛は命にかかわる病気ではない」というもの。いくら痛みがひどい場合でも、腰痛は大した病気でないと考える人が大半。しかし、がんや、感染症の化膿が原因の場合もあるので、命にかかわらないとは限らないというのは、2012年に発表された『腰痛診療ガイドライン』作成を手がけた福島県立医科大学会津医療センターの白土修さん。

「腰痛は原因が特定できないものが85%を占めます。骨折などの急性の痛みは別として、3か月以上痛いなら、MRIで検査するなど、重篤な原因がないか確認を」

 また、「腰痛の時はじっとして安静にすべき」というのも間違いだという。

 従来は「大事に」と、“とにかく安静”を促すのが腰痛患者への治療方針だった。しかし、前出・ガイドラインでは、「ベッド上安静は効果が低く、必ずしも有効な治療法とはいえない」とされ、これを機に、日本の腰痛治療の方針が180度変わった。

「欧米では1980年代から急性腰痛を発症した場合、2日間だけ安静にした患者群と、10日以上安静にした患者群を比較すると、前者のほうが回復が早いとする研究データが。この結果を受け、ようやく日本でも導入されました」(前出・白土さん)

 これについては柔道整復士の酒井慎太郎さんと、整形外科医の井尻慎一郎さんも同意見。

「動くことによって血流がよくなり、免疫力がアップ。交感神経の亢進を抑えてくれるので、精神面でもいい効果が期待できます」(酒井さん)

「安静にしていると、次に体を動かすときに、痛みを感じやすくなります。ですから、痛くても我慢できる範囲で動かすことで、痛みを小分けにできて、次に体を動かしやすくするのです」(井尻さん)

 つまり、ベッド上で安静にするより、痛みをこらえられる程度で我慢しながら動かすほうが、治りが早くなるのだ。

※女性セブン2014年10月16日号

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