今年も9月1日「防災の日」を受けて全国で防災訓練が行われた。阪神・淡路大震災や東日本大震災、そして広島の土砂災害など大規模災害の状況から、「女性特有の防災」への関心が高まっている。
「防災は普段の生活に根づいています。料理、洗濯、掃除と同様に家事の一環として考えてほしい。専業主婦の私ができたのですから、誰でも取り組めるはずです」
こう話すのは、『危機管理教育研究所』代表の国崎信江さん(以下「」同)。国崎さん自身、専業主婦から防災の仕事を始めた経緯がある。きっかけは阪神・淡路大震災。それまで防災意識を持つこともなく過ごしていたが、「大切な人を失って後悔する前に自分ができることがあるはず」と、防災を強く意識。実際に被災各地に足を運び、女性が過ごす過酷な環境を改善すべく、女性として母親としての視点から、行政も巻き込んだ防災対策を提唱している。
「身体的トラブル。汚れ。性的被害の恐怖…。災害を受けた女性が感じる苦痛のトップ3です。なかでも深刻なのが男性の視線。避難先の真っ暗闇で仕切りもない限られたスペースで、他人の隣で寝たり着替えたり、下着を干さなくてはならない。また、仮設トイレの使用など、実際に被害を受けずとも常に男性の目を気にしなくてはならないのが現状です。身を守るためにも防犯ブザーを携帯し、日中でもひとりで行動しないよう呼びかけています」
生理用品、下着、化粧品は日頃から準備しておくこと。配給されたものが肌に合わず、デリケートゾーンのかぶれや肌荒れを起こす人も少なくないそうだ。また、臭いに敏感な女性にとって口や髪の汚れも気になるところ。口臭予防は水を使わない液体歯磨きがベター。髪はウエットティッシュ、頭皮は化粧水で拭いてサッパリさせ、長い髪の人は束ねて見た目も清潔にしたい。
被災地でもキョロキョロとあたりを見回したり、後ろを振り返ったりしながら歩く女性の方が、警戒心が強いと思われて性的被害を受けにくい。
※女性セブン2014年10月16日号