今年5月発行の『韓国人による恥韓論』(扶桑社刊)が累計20万部を突破、このたび第2弾となる『韓国人による沈韓論』(同)を上梓した韓国人ブロガーのシンシアリー氏。新世代の論客が、先鋭化する韓国の反日思想に警鐘を鳴らす。
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先ごろ、日本でも活動予定の韓国女性アイドルグループ「Red Velvet」のデビュー曲MV(ミュージックビデオ)に「JAP HIROHITO」「JAPS HIT BY ATOMIC BOMB」といった昭和天皇への冒とくや原爆投下を嘲笑う英字新聞のコラージュが使用されていたことが発覚した。
グループの所属事務所は「他意はなかった」と当該個所を修正したが、韓国芸能人による日本への侮辱は今に始まったことではない。日本でも名の知られた歌手・RainはMVで原爆投下直後の広島を連想させる映像を使用。またある俳優はMVで日の丸を燃やし、別の歌手は東日本大震災の津波被害を”部屋の模様替え”にたとえ、「物を買って捨てるのと同じこと」とツイッターで呟いた。
日本で活動する韓国芸能人の「反日」アピールは、韓国で「売国奴」認定を避けるアリバイ作りの側面もあるが、「日本の悪事を日本人にも知らしめたい」と本気で考えている芸能人も少なくない。
今夏、朝鮮時代の海将・李舜臣をテーマにした抗日映画「鳴梁(ミョンリャン)」が韓国で公開され、韓国史上最大となる1500万人の観客動員数を記録した。李舜臣は豊臣秀吉の慶長の役(1597~1598年)での鳴梁海戦で12隻の朝鮮水軍を率い、300隻以上の秀吉軍を撃破したと伝えられる歴史上の英雄だ。
実際は秀吉軍の損害は軽微で、結果的に朝鮮軍は日本の侵攻を許しているのだが、韓国人は撃破の物語を信じてやまない。李舜臣を演じた国民的俳優のチェ・ミンシクは制作発表で「我々は(映画で)真実を語った」と胸を張り、
「多くの日本人が現在の安倍総理の政策に強い不満を持っていると聞いている。(中略)指導者の誤った選択のせいでどれだけ大きな悲劇が起き、どれほど無実の人が死んでいったのか、歴史的教訓を通じ、日本にそれを知らせたい」と言い放った。映画を大絶賛した朴槿恵大統領もこのコメントにさぞかし溜飲を下げたに違いない。
毎度のことだが、誤った歴史認識を振りかざし上から目線で「真実を教えたい」と言われる日本人はたまったものではないだろう。だが、両国の関係悪化に伴い、韓国ではこうした思想の持ち主が増えているのだ。
※SAPIO2014年10月号