夕方4時になると、その建物前に続々と人が集まってきた。彼らは、みな手にプラカードを掲げており、そこにはこんな文面が書かれている。
《金に狂ったペ・ヨンジュン》《ヨン様ではなくトン(お金)様だ》──。50人あまりが集結しただろうか。先頭の50代男性がマイクで叫びだした。
「ぺ・ヨンジュンは今すぐ100億ウォン(10億円)を賠償せよ!」。みながそれに続く。「賠償せよ!」。
韓国ソウル市の江南地区にあるヨン様の所属事務所の前では今、こんな物々しい光景が連日繰り広げられている。
発端となったのは、俳優・ペ・ヨンジュン(42才)が筆頭株主として95%の株を持つ食品メーカー『ゴリラライフウェイ』と、同じく食品メーカー『ゴジェ』の間で起きた契約問題だった。
ゴジェ社は、ヨン様がプロデュースし、ゴリラ社が製造・販売した高麗人参食品『紅参』の日本における独占委託販売契約を50億ウォン(5億円)で結んだ。契約終結金として、ゴジェ社はゴリラ社に25億ウォン(2億5000万円)を前払いで支払っていた。
「でも、この契約は破談となってしまったんです。ゴリラ社の言い分は、“期日までに残りの契約金が支払われなかったため”というものですが、前払いした25億ウォンは宙に浮き、いまだ返金されていません。ゴジェ社は“契約解除はペ・ヨンジュンの詐欺行為だ”と主張し、9月19日、ゴリラ社の筆頭株主であるヨン様に損害賠償を求める告訴へと踏み切りました」(韓国の全国紙記者)
ゴジェ社によれば、社の損害は、前払いした25億ウォンに加え、倉庫代や通関コストなど合計100億ウォン。
これとは別に、高麗人参を栽培している農民たちが被った損害額100億ウォンもヨン様が補償すべし、と主張する経営陣までいるという。
ゴジェ社の抗議は苛烈で、冒頭のように、ヨン様の所属事務所前では連日抗議デモが起きている。
「告訴前の6月から、抗議デモは毎日行われていました。決まって夕方4時にゴジェ社の社員と株主が50人ほど事務所前に集まって、“ペ・ヨンジュン、賠償しろ!”って叫び続けるんです。最初は今よりもっと過激で、デモ隊が事務所の中に押し入ろうとして、事務所のボディーガードと揉み合いになったこともありました」(事務所横のコンビニ店員)
デモ隊のターゲットは事務所だけではなかった。ヨン様は2010年、ソウル市北部の超高級住宅街の城北洞に4億円の大豪邸を建てたのだが、その自宅も狙われたのだ。
「毎朝7時から3時間ほど、ヨン様の自宅前で抗議デモが行われているんです。セレブが集う住宅街なので、警察の見回りも多く、マイクで叫んだりとか派手な行動はできないんですが、プラカードを掲げて黙って立ち続けているので、異様に目立ちます。今では、ヨン様に対して白い目を向ける住人さえいます」(ヨン様宅の近所住人)
※女性セブン2014年10月16日号