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洗髪中のめまい・頭痛・吐き気 「美容院脳卒中症」に注意を

 キレイになるための美容院で、具合が悪くなることがあるという。「美容院脳卒中症候群」という体の不調があるという。これは、どうしたら防げるのだろうか? 実際に美容院脳卒中症候群の患者と接し、症例論文を発表したことのある東京医科大学整形外科の遠藤健司さんに話をうかがった。

 症状としては、軽度では頭痛、めまいなど。重いケースでは吐き気、手足のしびれや意識の低下、失神などが引き起こされる。

「心臓から上に向かう大動脈のひとつに、椎骨動脈という頸椎の中を通っている血管があります。首が後屈すると、そこがテコになって首が圧迫されて血流不全になり、めまいや失神などが起こってくるのです。

 それだけではなく、血管が圧迫されることによって血栓ができてしまうと、首を元に戻した際に血栓も一緒に流され、血管が細くなったところに詰まると、脳梗塞や脳卒中が引き起こされるのです」(遠藤さん、以下「」内同)

 洗髪するわずか15分程度でも、血栓ができてしまうことはあるという。

「もともと小さな血栓ができている人はたくさんいて、血流が悪くなることでそれが短時間でどんどん大きくなってしまうのです。ただ、美容院脳卒中症候群の場合、血栓によって脳梗塞を起こすことはまれで、ほとんどが一過性の症状で治まります」

 対策としては、後屈しないように気をつけること。支点を首の根元にすると大きく頭が反ってしまうため、頭の付け根を支えるようにするといい。もし、洗髪中に具合が悪くなったら我慢せず、休ませてもらうことが大事だ。

 脳卒中の対策として、首の血管への圧迫を避けるために、首を左右に揺らす動作は避けるべきだと遠藤さんは続ける。

「頭蓋骨にはくぼみがあるので、首がかなり後屈した状態で左右に揺らすと、首の血管を挟みこんで強い圧迫でしごいてしまうのです」

 日常生活でも、同様の後屈動作で症状が引き起こされることがある。例えば、顎を突き出した姿勢でのパソコン作業、草むしり、上を見上げての映画鑑賞、天井の電球の取り換えなどがある。なるべく顎を引いて作業するように心がけたい。症状が改善しない場合には病院で受診を。

「めまいや頭痛程度でしたら、まず安静にして、飲酒など血圧の変動が起こることは控えてください。もし、しびれが出たり、症状が長く続くようなら病院で相談してください。吐き気や後頭部の痛みになると重い状態です。実際に嘔吐があった場合には、すぐに病院へ行ってください」

 診療科は、頭痛がひどい場合は脳神経外科、めまいや吐き気が強い場合は耳鼻科など、症状にそって受診を。更年期を迎えてからはさらに注意が必要だ。

※女性セブン2014年10月16日号

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