2800万人の国民が悩んでいるといわれる腰痛。厚生労働省の研究班が2013年に発表した『国民病ともいえる腰痛の様々な療法のガイドライン』によると、男女比は男4対女6。
女性の腰は妊娠や出産、毎月の生理周期の影響を多く受けるほか、骨盤のゆるさや骨の細さ、筋力の弱さ、子宮筋腫の増加など身体的特徴に加え、家事や子育てなどの負担も大きい。そんな多くの人が悩んでいる腰痛についてはホントかウソか悩むような俗説が多数。気になることを専門家に聞いてみました!
■「抱っこのしすぎで腰痛になる」は【ウソ】
子供が小さいうちは抱っこする頻度が高いもの。1才頃には体重は9kgほどに。そんなわが子の重みが、腰痛の原因になりそうだが…。
「てこの原理を使って、子供を体に近づけてから持ち上げないと、腰に負担が。これが積み重なると、ある日、ぎっくり腰(急性腰痛)になる可能性があります」(さかいクリニックグループ代表・酒井慎太郎さん)
では、正しい抱っことはどういうものなのか。
「首のすわった赤ちゃんなら、正面に向けて左右対称にした体の中央で、前向きに子供を抱き、まっすぐ立って。よく見かける、片側の骨盤付近に乗っけて抱っこし、逆足に体重を乗せながら立ち話をするというのは、腰にとっては最悪です」(トコ助産院院長・渡部信子さん)
“腰にやさしい抱っこ”をマスターすれば、腰痛を回避できるのだ。
■「胸の大きい女性は腰痛になりやすい」は【ホント】
胸の豊かな女性は、首や肩にこりや張りを訴えがちだが、果たしてそれが腰にまで影響するのだろうか。
「バストの大きい女性は、どうしても胸の重さに引っ張られる格好となり、肩や首の位置が前方に偏り、頸椎に負担がかかります。しかも、最近の女性は、首がまっすぐにゆがんだ状態のストレートネックの人が非常に多く、首や背中の筋肉をこわばらせているのです」(酒井さん)
そしてそれはだんだんと腰に悪影響を及ぼし、さらにはひざにくることが多いのだ。
※女性セブン2014年10月16日号