スポーツ

怪物発掘の旭鷲山「第二の逸ノ城はモンゴルに幾らでもいる」

“怪物”の登場に場所が沸いた。新入幕の9月場所で1横綱2大関をなぎ倒し13勝を挙げ、あわや優勝かという力を見せつけた逸ノ城の活躍に好角家ならずとも思うことがある。

「またモンゴル人か」

 確かに日本人力士は不甲斐ない。期待の遠藤は3勝12敗と大きく負け越し、横綱候補と持ち上げられた稀勢の里は今やクンロク大関(成績が9勝6敗止まりで二桁勝利できない大関を揶揄する言葉)になり下がっている。元横綱・朝青龍はツイッターでこう言いたい放題。

〈このカキ(注・ガキ)横綱なるよ(笑)〉
〈日本からとうぶん横綱誕生ないだろう!!〉

 悔しいが反論できない。なぜモンゴル人ばかりが強いのか。モンゴル人力士初の関取で、現在は母国で大統領特別補佐官を務める元小結・旭鷲山が語る。

「僕はモンゴル相撲協会の会長をしており、白鵬、鶴竜も僕が角界に送り込んだ。逸ノ城だって、白鵬がそろそろかなというので送り込んだんだからね」

 逸ノ城が遊牧民出身で子供時代から乗馬や水汲みで鍛えられたことが知られているが、強さの秘密はそうした環境だけにあるのではないと旭鷲山はいう。

「モンゴルの子供たちは小さい頃から相撲をしている。それもモンゴル相撲ではなく土俵のある日本の相撲だ。みんな日本の角界を目指している。将来の横綱を作るために4歳から12歳の子供を集めた全国大会を開催し、毎年300人以上が集まる。その中で優勝した者だけがトレーニングを積み、角界に挑戦している」

 旭鷲山は日本人力士の精神力の甘さを指摘する。

「ハングリー精神が違う。遠藤も強いと思うが、テッペンに上り詰めるという思いが足りない。第二の逸ノ城はモンゴルには幾らでもいる。日本人は絶対にかなわないと思いますよ」

 このまま言わせておくしかないのか。

※週刊ポスト2014年10月17日号

トピックス

「衆参W(ダブル)選挙」後の政局を予測(石破茂・首相/時事通信フォト)
【政界再編シミュレーション】今夏衆参ダブル選挙なら「自公参院過半数割れ、衆院は190~200議席」 石破首相は退陣で、自民は「連立相手を選ぶための総裁選」へ
週刊ポスト
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波も(マツコ・デラックス/時事通信フォト)
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波、バカリズム脚本ドラマ『ホットスポット』配信&DVDへの影響はあるのか 日本テレビは「様々なご意見を頂戴しています」と回答
週刊ポスト
大谷翔平が新型バットを握る日はあるのか(Getty Images)
「MLBを破壊する」新型“魚雷バット”で最も恩恵を受けるのは中距離バッター 大谷翔平は“超長尺バット”で独自路線を貫くかどうかの分かれ道
週刊ポスト
もし石破政権が「衆参W(ダブル)選挙」に打って出たら…(時事通信フォト)
永田町で囁かれる7月の「衆参ダブル選挙」 参院選詳細シミュレーションでは自公惨敗で参院過半数割れの可能性、国民民主大躍進で与野党逆転へ
週刊ポスト
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
「フォートナイト」世界大会出場を目指すYouTuber・Tarou(本人Xより)
小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」に批判の声も…筑駒→東大出身の父親が考える「息子の将来設計」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
米国からエルサルバドルに送還されたベネズエラのギャング組織のメンバーら(AFP PHOTO / EL SALVADOR'S PRESIDENCY PRESS OFFICE)
“世界最恐の刑務所”に移送された“後ろ手拘束・丸刈り”の凶悪ギャング「刑務所を制圧しプールやナイトクラブを設営」した荒くれ者たち《エルサルバドル大統領の強権的な治安対策》
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
NEWSポストセブン