セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)第1ステージは2年連続の組み合わせとなった。前回は広島が連勝してファイナルステージへ進出。阪神は過去CSに4度出場したが、すべてファーストステージで敗退している。今年も歴史は繰り返されるのか。広島で11年間、阪神で10年間プレーした金本知憲氏(野球評論家)に行方を聞いた。
* * *
第1ステージはモチベーションの差が大きく影響します。昨年は特に顕著でした。広島はCS初出場で、勝率5割未満だったにもかかわらず、9月と10月の勝率6割4分の勢いそのまま2連勝で勝ち抜けました。
僕の現役の時からそうでしたが、阪神はリーグ優勝を大前提に戦っているから、優勝を逃した段階でトーンダウンしてしまう。そのモチベーションで臨むので負けてしまうんです。
しかし今年は最終戦で勝ったら2位になって本拠地開催できた広島が負け、阪神は終盤の粘りで2位を奪い取った。モチベーションでは阪神に分があります。広島は野村謙二郎監督の辞任をどう受け止めているかですが、テンションが下がったままなら阪神が有利ですね。
キーマンは、広島はマエケン(前田健太)、阪神はメッセンジャー。両者とも説明不要のエースですが、最終登板で敗戦投手になっている。どれくらい開き直れるかがポイントです。
※週刊ポスト2014年10月24日号