2015年卒の就職活動がほぼ終盤に差し掛かり、結果が出た学生たちの間では内定者同士の懇親会などが行なわれている状況だ。そんな中、就職活動を終えて「面接ではトーク力が一番大事だった」と語る学生も多い。なかには、自分ができもしないことを、さも特技のように語って内定を手にした強者もいるという。
たとえば、大手マスコミ企業に内定が決まった男子学生・Aさん(21歳・経済学部)は、次のように語る。
「僕はサークルの先輩の経験を細かく聞いて、あたかも自分の経験のように話して大手人材企業に内定しました。『ヨーロッパを縦断した』という先輩の話をそのまま話して、『4か国語話せます』と面接で話しました。実際は英語もろくに話せないんですが(笑い)。
でも、面接官も真実が知りたいわけではなくて、いかに上手にプレゼンテーションできるのか、トーク力が見たいのだろうと思っていたので、悪いことをしている感覚は一切なかったです」(Aさん)
別の男子学生・Bさん(21歳・文学部)も、次のように話す。
「一番大事なのは『滑ることを恐れない図太さ』だと思います。集団面接で特技の話になり、周りが語学や金管楽器などと真面目な答えをしているときに、自分の番で『モノマネです』と笑顔答えました。『やってください』と言われたので、大きな声で『芦田愛菜だよ!』と叫びました。
広告会社だったこともあってか、面接官が寛容だったので、『面白いね、君』と笑ってくれたんです。ただ、自分としては『滑り芸』のつもりだったので、別に滑っても良かった。あと、そういう一発芸が苦手な子は、その場では再現できない『大食い』『長時間のサウナと水風呂です』『どこでも寝られます』などと言えば、面接の場でやらされないのでオススメですよ」(Bさん)
面接の場で、実際に自分が体験していないことやできもしないことを、さも自分が体験したかのように語ることについて賛否もあるだろうが、なんとしてでも内定を手にしたい就活生からすれば、「一度きりの嘘ぐらい許してよ」という感覚なのだろう。