少女まんがの金字塔『ガラスの仮面』を38年にわたって連載し続ける美内すずえさん。現在49巻まで発売されているが、その創作の原点について聞いた。美内さんがまんが家を志すきっかけは何だったのか。
「小学生の頃からまんがが好きで貸本屋へ通っては、手塚治虫先生の作品を何度も読んでいました。そのうち、貸本屋のツケがたまってしまって(笑い)。母の反対でまんがが読めなくなってしまったんです。それで考えた末、自分で描くことに」(美内さん、以下「」同)
これが10才の時。
「あの頃は牧美也子さんの絵を真似て練習していました。ところが、それを見た母に『人の真似をせず、自分の絵を描きなさい』って怒られて…。まんがを反対していた母の言葉だけあって心に響きました」
その後、16才でデビュー。他の作品が気になったことは?
「新人時代、ライバルの忠津陽子さんの作品は“花にたとえるとチューリップだね”と言われ、他の同期のまんが家の作品は“白百合”にたとえられていました。私は何にたとえられるのかドキドキしていたら、忠津さんに、『美内さんは、花じゃなくて実だね』と言われ、それが嬉しくて『じゃあ、できるだけでっかい実になってやろう』と思いました。今もその言葉が励みになっています」
では、美内さんにとって“まんが”とは?
「生きている証です。私がいなくなっても作品は残ってもらいたい。これまで、名作なのに消えていくまんがをいくつも見てきました。もったいないですよね。これからは作品を後世に残し、伝えていく方法も考えていかなければと思います」
そして、次で50巻を迎え「そろそろ終わらせるかも(笑い)」という爆弾発言も飛び出した。
「劇中劇は、1本別の話を書くのと同じことなので『ガラスの仮面』本編ストーリーを考える以上に苦労が大きいですね。舞台に毎日通ったり、常にアンテナを張り巡らせています。
紅天女は誰になるのか。今後の展開も見逃せない。
※女性セブン2014年10月23・30日号