10月15日、歌手・西城秀樹(59)が東京・中野サンプラザでコンサートを行なった。2003年、2011年と2度の脳梗塞を発症しながらも、ステージに立ち続ける秀樹に、ファンはペンライトを片手に大声援を送り続けた。
もともと、コンサートにおけるペンライト使用は、西城秀樹のファンが始めたものと言われている。その元祖であるためか、ファンには今も欠かせないコンサートグッズになっており、中野サンプラザは赤、青、緑の綺麗なサイリュームで埋め尽くされた。
横に振るだけでなく、2つのペンライトをグルグル回す観客を見た秀樹は、コンサート開始直後のMCで、「ペンライトを振り回すのはウチくらい。外でやらないでね。恥ずかしいから(笑)」と話し、会場の笑いを誘った。
秀樹は、右半身麻痺の後遺症が残るため、思うようには歩けず、曲の半分近くは椅子に座って歌う体勢を取った。それでも、アップテンポな曲になると、ステージに作られたスロープを伝いながら、若干、足を引きずりつつ動き回るシーンもあった。秀樹の渾身のパフォーマンスに、ファンは惜しみない拍手とペンライトによる応援で盛り上げた。
この日のコンサート会場には、とんねるずの木梨憲武やベッキー、ダイヤモンド☆ユカイ、大林素子などの有名人に加え、かつてCM出演をしていたハウス食品からも花が贈られていた。「ヒデキ、感激!」のフレーズで有名な『ハウス バーモントカレー』のCMは、西城秀樹の代表作のひとつと言っても過言ではない。ところが、秀樹はMCで意外な発言をした。
「(カレーの)甘口はあんまり好きじゃないんだよね。ジャワカレーとかボンカレーのほうが好き」
もちろん、秀樹なりのファンサービスとしての発言だろうが、これには会場も爆笑。MCでは、「体のことは心配するな」と言わんばかりに、ギャグを織り交ぜ、ファンを楽しませた。
誰もが知る大ヒット曲『YOUNG MAN(Y.M.C.A.)』では、Y.M.C.A.のポーズで会場が一体となった。最初、秀樹のY.M.C.A.の振りは小さめだったが、回を追うごとに徐々に大きく手を広げるようになる。ファンの声援が、秀樹の手を動かしたのだ。
ラストの曲を歌い終えると、何度となく「ありがとう!」と絶叫した秀樹。右半身麻痺の後遺症の残る体ながらも、一生懸命ステージで歌う姿に、何人ものファンが「ありがとう!」と感謝の叫び声をあげた。