『女は男の指を見る』などの著書があるエッセイストで動物行動学研究家の竹内久美子さん。雑誌・女性セブンにて『悩む門には福きたる』を連載中の竹内さんが、芸能界一の動物好きで知られるお笑いコンビ「ココリコ」の田中直樹と対談を行った。
田中:「悩む門には福きたる」ということで、ぼくも竹内さんに相談したいんですが、40才を過ぎて人生も折り返し地点を迎えて、死を意識するようになったんです。2人の子供たちのためにも少しでも長生きしなきゃと思って、ジョギングを始めたり。でも一方で、そんなことは考えず、動物みたいに食べて寝て交接のタイミングを待つという、シンプルな生き方にも憧れていて…。どうしたらいいんでしょう?
竹内:田中さんは、「利己的な遺伝子」という言葉をご存じですか。
田中:言葉だけは…。
竹内:イギリスの動物行動学者、リチャード・ドーキンスが提唱した言葉で、「生物のそれぞれの個体は遺伝子が悠久の時間を旅するための乗り物にすぎない」という考え方です。私はその言葉を聞いた時、谷底に落とされたような衝撃を受けた。私は遺伝子の乗り物なの!? 自分とか自我ってどうなるのって。ただ、よくよく考えたら、確かに乗り物で、それでとても楽になったんです。いろいろ悩みもすれど、しょせんは遺伝子が次の世代に行くための乗り物にすぎないんだって(笑い)。
田中さんはすでにお2人のお父さんで、遺伝子を次の世代に譲り渡している。彼らが自立するまでの助けをしなければなりませんが、生物としての役目を果たしつつあると考えると楽になりませんか?
田中:すっごい楽になります!!
竹内:それから生物は、子や孫のような直系だけでなく、傍系でも遺伝子が伝わりますから、子がいない人でも遺伝子の乗り物としての役割を果たしています。
実は私も40才になって死を考えて、ギターを弾けずに死ねるかって思ってエレキギターを習ったんですが(笑い)、田中さんはこれだけはやりたいって思うことはありますか?
田中:南極、北極、アマゾン、宇宙…死ぬまでに行きたい、見たいところがたくさんありますね。
【質問募集】
竹内久美子さんに悩みを相談したい方は、
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※女性セブン2014年10月23・30日号