10月16日に東証1部上場を果たしたリクルートホールディングス。<自社サービスを通して企業と生活者を結びつける>のがリクルートの最大の強みだが、その将来性を占う意味でも重要な戦略になってくるのが「共通ポイント」の覇権争いである。
もともと同社はネット上のさまざまなサイトで使える「リクルートポイント」サービスを展開し、昨年3月にはオンラインショッピングモールの「ポンパレモール」を開設。加盟店舗の数は約1000店まで増えたが、ポイント制度の利便性が高いとは言い難かった。
その理由はなぜか。IT専門誌の記者がいう。
「オンラインショップでは、先行する『楽天市場』の出店店舗数が約4万2000店、『Yahoo!ショッピング』に至っては約7万8000店と大きく水を開けられているので、『ポンパレ』はポイントを溜めて交換したいと思わせる商品が少なすぎた。
リクルートポイントは『じゃらん』(宿泊予約)や『ホットペッパーグルメ』(飲食店予約)でも使えるが、日常的に利用するものではないので、ポイントのお得感がなかなか伝わらなかった」
そこで、リクルートが打った起死回生の一手が、ローソンを筆頭に和民、ゲオ、ケンタッキーフライドチキン、昭和シェル石油など約2万3400店で使える共通ポイント「Ponta(ポンタ)」との統合だ(完全統合は来春予定)。
複数の加盟店舗で利用できる共通ポイントといえば、TSUTAYAやファミリーマート、ガストなど約7万5000店舗まで加盟店が膨れ上がっている「Tポイント」が先駆け。前出のYahoo!ショッピングともタッグを組んでいるので、サイト上とリアル店舗でポイントの相互利用ができる強みがある。
一方、リクルートもオンライン戦略の強化が課題だったポンタと組むことで、会員数の囲い込みが狙える体制が整ったことになる。