NHK連続テレビ小説『あまちゃん』以来となる宮藤官九郎(44)脚本で、関ジャニ∞の錦戸亮(29)主演のドラマ『ごめんね青春!』(日曜21時~。TBS系)は、初回視聴率10.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)だった。約1年ぶりのクドカン脚本で、『半沢直樹』を生んだTBS日曜21時台での放送。今クールの目玉と目され、高視聴率が期待されただけに、意外な結果となったと言わざるをえない。TBS関係者が話す。
「過去5年、同枠の初回で、最も低い数字です。これまで最下位だった『特上カバチ!!』は初回12.9%で、全話平均9.38%。クドカンさんのドラマですし、立て直してくれると思いますが、さすがに先行き不安になりますね」
一種のブランドが出来上がっていたTBS日曜21時台の枠にもかかわらず、なぜ低視聴率の発進となってしまったのだろうか。テレビ局関係者が話す。
「これには、3つの原因が考えられます。まず、前クールの日曜21時台『おやじの背中』が最終回6.2%、全話平均9.43%と低調に終わったこと。どのドラマ枠も、初回視聴率は前クールの影響を受けやすい。今クールのフジテレビの月9ドラマ『信長協奏曲』が15.8%と最近にしては良いスタートを切れたのも、前クールの『HERO』の高視聴率に引っ張られた側面はあると思います。逆に『ごめんね青春!』は、『おやじの背中』の余波を受けたという見方もできます。
また、裏番組に、明石家さんま司会の『行列のできる法律相談所』の2時間スペシャルが放送されたことも、かなり大きい。普段から視聴率の高い『行列~』は、さんま司会になると、さらに数字が上昇する傾向にある。今回は16.9%といつもよりは伸びませんでしたが、テレビ朝日が映画版の『相棒』を放送し、TBSが新ドラマの初回だったことを考えれば、十分な数字。何よりも、『ごめんね青春!』の出鼻をくじいたことが大きい。『行列~』は、TBSのドラマ枠が好調になると、相対的に視聴率が落ちてしまう。ドラマの初回に、さんまをぶつける作戦が見事に成功しましたね。
そしてもうひとつ、これまでTBSの日曜21時台は、『半沢直樹』『JIN-仁-』『南極大陸』『とんび』などに代表されるように、サラリーマン層など40代前後の男性に向けたドラマが多かった。その時間帯に、高校を舞台にした学園コメディである『ごめんね青春!』を持ってきたわけですから、そのギャップは大きい。10代や20代前半は、この時間帯にTBSにチャンネルを合わせる習慣を持っていなかったわけです。この編成上の問題が、いちばん大きな原因ではないでしょうか。ほかの枠であれば、10.1%という数字にはならなかったはず」
低視聴率発進となった『ごめんね青春!』が、2話以降どう立て直していくか。