甲子園7度制覇を誇るPL学園野球部が「部員募集停止」を発表し、OBのプロ野球選手や高校野球ファンから驚きの声があがっている。この大騒動の裏には学園の母体であるPL教団の重大な路線対立があった。10月20日発売の週刊ポスト(10月31日号)で、ノンフィクションライターの柳川悠二氏がレポートしている。
「野球部だけでなくこのままPLの教えが天界に消えてしまっては、初代教祖、2代教祖に申し訳がたちません。清らかで活気のあるPL教団を取り戻すために、私たちは立ち上がったのです」
大阪・富田林市に本部を置くパーフェクトリバティー(PL)教団。そのトップである3代目教主・御木貴日止(みきたかひと・56)氏の従兄弟にあたる橋本統一氏(はしもともといち・76)と妻・輝子さん(66)は、取材に対してそう答えた。
1946年の立教以来、橋本家はPL教団の教主となる御木家を支えてきた歴史がある。2代・御木徳近氏には子供がなく、妻の実家である橋本家から養子に迎えたのが貴日止氏だった。
既に教団を追われたという統一氏と輝子さんが問題視しているのは、貴日止氏の妻・美智代氏(53)である。
「現在の教団の実権は美智代さんが握っていらっしゃるといっても過言ではありません。野球部が存続の危機にあるのも、美智代さんが2代様ご夫妻の作り上げたものを壊そうとしてのことだと考えられます」(統一氏)
PL教団のなかで何があったのか。2人は2007年に貴日止氏が脳疾患で倒れて以来、教団が変貌していった様を、同誌で克明に証言している。