スポーツ

国松彰 V9巨人は大雨で試合が中止でも多摩川で休みなく練習

 もうすぐ2014年プロ野球の日本一球団が決まる。今では夫人の家業である製菓会社「亀谷万年堂」の取締役会長として忙しい日々を送る国松彰氏(80)は、1965年から始まる読売巨人軍の9年連続日本一の初期を主に2番打者として、後半はコーチとして支えた。川上哲治監督の徹底したチーム管理と、それによって培われた巨人軍の強さについて国松氏が振り返った。

 * * *
 日本シリーズ中に、土砂降りの中で練習させられたこともあります。期間中、チームは(後楽園球場に近い)御茶ノ水の旅館に泊まり込んでいたんですが、大雨になって試合が中止になったんです。

 当時は室内練習場もないので当然休みだと思っていると、選手全員がバスに詰め込まれて多摩川へ。打席とマウンドだけにテントを建てて、グチャグチャのグラウンドの中で練習ですよ。ボールはすぐに泥だらけになるので、洗っては焚き火で乾かして使う。そんな状態だから、打撃練習でも1人10球打つので精一杯でした。

 文字通り休みなしの練習が続きましたから、反発の声は上がりました。例えば広岡(達朗)さん。「疲れているのに、コンディションが悪くなるだけで意味がない」と文句をいっていました。口には出さないまでも、僕も冗談じゃないと思っていましたね。

 でもこれは技術の向上というよりも、勝つためにチームが団結して決して手を抜かないことが大切だ、という意識を浸透させるためだったんです。川上さん自身も疲れていたはずなのに、心を鬼にして練習を課していたのでしょうね。川上さんが偉いのはそういうところ。選手たちにだけでなく、自分にも妥協しなかったことです。

※週刊ポスト2014年10月31日号

関連キーワード

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン