「女性が輝く社会」を掲げて5人の女性閣僚を起用した安倍改造内閣だが、松島みどり・法相や小渕優子・経産相など相次いで不祥事が持ち上がった。だが、本当の問題は、この政権が「女性が輝く社会」など本気で目指していないことである。
さる10月10日、政府は「すべての女性が輝く政策パッケージ」を決定した。どうやって輝かせようとしているのか。まず就業支援では、「ドボジョ」と「トラガール」を増やすという。
〈これまで女性の活躍が少なかった建設業、造船業、運輸業等の分野においても、建設業の現場で働く女性(ドボジョ)やトラック業界で働く女性(トラガール)など活躍を希望する女性の就業及び定着を支援〉
農業分野では、〈次世代リーダーとなり得る女性農業経営者の育成〉を挙げている。さらには〈女性消防団員等の加入促進〉もある。団塊世代の大量退職で人手不足となった建設現場、高齢化で担い手が足りない農業、高齢化で人手不足の消防団員──。
女性の参画が少ない分野での就業支援というが、どう見ても“3K業種”の人材不足を女性の単純労働力で穴埋めしようという単純で下心のある話だ。
※週刊ポスト2014年10月31日号