10月20日、傘寿を迎えられた皇后・美智子さま(80才)。この慶事にあたり、宮内庁は、美智子さまの秘蔵写真を初公開した。
大学の卒業証明書、陛下との出会いのきっかけとなった軽井沢でのテニス大会のトーナメント表、幼稚園時代に作られた切り絵とともに公開されたのが、美智子さまが聖心女子大時代に取得された中学・高校の英語の教員免許だった。
「美智子さまは学生時代、将来の選択肢のひとつとして、“教師になりたい”、“得意の英語力を生かした仕事に就きたい”という夢を持たれていたそうです。当時は女性が社会に進出するといっても、まだ職業は限られていましたが、美智子さまは教師として社会の役に立ちたいという強い思いを抱かれていたみたいなんです」(ベテラン皇室記者)
しかし、1957年8月18日、美智子さまは当時・皇太子だった陛下と運命の出会いを果たされる。
「当時はまだ、将来、天皇となられるかたの妃に、民間出身の女性は到底考えられなかった時代で、美智子さまは陛下の求愛に苦悩されたこともあったそうです。しかし、乳母に育てられ、ご両親と離れて暮らされていた時代も長く、家庭を知らず育たれた陛下の“家庭をもつまでは、絶対死んではいけないと思った”というお言葉に、美智子さまは夢を諦めてでも、すべての力を注いで、あたたかい家庭を作ろうと決心されたようです」(前出・ベテラン皇室記者)
誕生日に際して発表された文書では、当時をこう振り返られている。
《80年前、私に生を与えてくれた両親は既に世を去り、私は母の生きた齢を越えました。嫁ぐ朝の母の無言の抱擁の思い出と共に、同じ朝「陛下(昭和天皇)と殿下(現陛下)の御心に添って生きるように」と諭してくれた父の言葉は、私にとり常に励ましであり指針でした。これからもそうあり続けることと思います》
こうして陛下に寄り添い、ともに国民のために生きるというのが、美智子さまの新たな“夢”となられた。
※女性セブン2014年11月6日号