芸能

芸能リポーター歴28年の井上公造が会話に悩む人に向けた書籍

【書評】『一瞬で「本音」を聞き出す技術』/井上公造/ダイヤモンド社/1512円

【評者】伊藤和弘(フリーライター)

 人に話を聞くのは難しい。ライターの私は日常的にインタビューを行っているが、「完璧だった」と満足できたことなど一度もない。極端に口の重い人もいれば、思わぬところで地雷を踏んでしまうこともある。

 インタビューや交渉といった仕事に限らず、知人友人との会話で悩んでいる人も多いだろう。特に「建前」や「お世辞」を美徳とする日本人は、なかなか「本音」を打ち明けない。たとえ知りたくなかった本音でも、知れば相手の考えを変える対策も打てるはずだ。

 いかに本音を見抜き、相手との距離を縮めるか―本書には、著者が28年にわたる芸能リポーター生活で培った貴重なノウハウが惜しみなく公開されている。例えば、「異性に対する質問」。男性の上司にプレゼントを贈りたいと思っているOLがいるとする。何が欲しいか直接聞いても、照れや遠慮もあって正直な希望はなかなか言わないもの。しかし、「40代くらいの男性って何をもらうと嬉しいんでしょうね?」と他人事のように聞けば、「そうだな、ぼくなら…」と気軽に本音を明かしてくれるだろう。

 ほかにも、「失敗談で親近感を持たせる」「ほめ言葉の後に具体的な言葉がつくかで本音かお世辞かわかる」「相手の心を開くには、まず自分の心を開くこと」「自分に無関心な相手に好意を持ってもらうには第三者を利用する」などなど、紹介されているテクニックはどれも簡単で実用的。さらに、「宮根誠司は極度の人見知り」といった芸能界の楽屋裏も興味深く、読み物としても楽しめる。

※女性セブン2014年11月6日号

関連記事

トピックス

自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《中山美穂さん死後4カ月》辻仁成が元妻の誕生日に投稿していた「38文字」の想い…最後の“ワイルド恋人”が今も背負う「彼女の名前」
NEWSポストセブン
工藤遥加(左)の初優勝を支えた父・公康氏(時事通信フォト)
女子ゴルフ・工藤遥加、15年目の初優勝を支えた父子鷹 「勝ち方を教えてほしい」と父・工藤公康に頭を下げて、指導を受けたことも
週刊ポスト
山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
「衆参W(ダブル)選挙」後の政局を予測(石破茂・首相/時事通信フォト)
【政界再編シミュレーション】今夏衆参ダブル選挙なら「自公参院過半数割れ、衆院は190~200議席」 石破首相は退陣で、自民は「連立相手を選ぶための総裁選」へ
週刊ポスト
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波も(マツコ・デラックス/時事通信フォト)
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波、バカリズム脚本ドラマ『ホットスポット』配信&DVDへの影響はあるのか 日本テレビは「様々なご意見を頂戴しています」と回答
週刊ポスト
大谷翔平が新型バットを握る日はあるのか(Getty Images)
「MLBを破壊する」新型“魚雷バット”で最も恩恵を受けるのは中距離バッター 大谷翔平は“超長尺バット”で独自路線を貫くかどうかの分かれ道
週刊ポスト
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
「フォートナイト」世界大会出場を目指すYouTuber・Tarou(本人Xより)
小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」に批判の声も…筑駒→東大出身の父親が考える「息子の将来設計」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン