第2話視聴率は17%を記録し、今クールドラマの中で唯一、第2話視聴率大幅アップという絶好調のドラマ『きょうは会社休みます。』(日本テレビ系)。その主演の綾瀬はるか(29才)が演じるのは、最近よく聞く“こじらせ女子”。同番組HPには、その特徴が以下のようにまとめられている(10月28日現在)。
其の一 自分の中の女子力に自信が持てない
其の二 他力本願
其の三 うたぐりぶかい
其の四 甘え下手
其の五 敵は天然モテ女
其の六 学生時代の人間関係にトラウマがある
其の七 寂しさに慣れている
ここにある「他力本願」の説明が、今、思わぬ火種を抱えているとの情報が飛び込んできた。
「浄土真宗の僧侶、門徒さんたちの間で、“あれは、本来の意味と違う!”と問題視されているんです。中には“けしからん!”と声を荒らげている人もいます」
問題になっている「他力本願」の説明文がこちら。
【こじらせ女子は、果報を寝て待つ。恋愛に対して受け身で、努力の仕方がわからない。日頃の行いさえよければ、いつか自分にも果報が訪れると、ちょっと本気で思っている】
女性セブンは、綾瀬主演の大ヒットドラマ『きょうは~』がこじらせてしまった僧侶との関係を追って、京都へ向かった。
JR京都駅から徒歩7分。烏丸通り沿いに位置する名刹・東本願寺。真宗大谷派の本山だ。宗祖・親鸞聖人が明らかにした『他力本願』について、阿弥陀如来(=他力)が衆生を救済する本願の働きであり、阿弥陀信仰の根本となる教義であるとしている。東本願寺の僧侶2人に話を聞いてみた。
僧侶A:「“果報は寝て待て”という使われ方は、よろしくないですね…。他人の力で願いを達成するという意味なんてありませんから。私たちは自分ではどうすることもできない力で生かされている。例えば心臓を止めてやろうと思っても、心臓は勝手に動きますよね。そういうことに気づいたとき、ではどうしたら救われるか? 仏さんにすべてをお任せするしかないんですが、それが他力なんです。普段使われている意味合いは歪んでいます」
僧侶B:「現代では他人任せという意味が浸透しているので、そういった意味でドラマでもお使いになっているんでしょう。同じように、間違った使われ方をしている仏教語はたくさんあるんですよ…」
兵庫県にある浄土真宗本願寺派西念寺の前住職・青木敬介氏はこう話す。
「現代において“他力本願”は、自分が努力せんでも他人の働きによって利益を得ることができるというような使われ方をするけれども、それはとんでもない間違いなんです。この言葉は、生きとし生けるものは、“仏様の限りのない広く大きな願い”の中で生かされておることを説いているのです。その肝心なことを知らずに間違った使い方をしている人が多いのはとんでもないことですよ」
※女性セブン2014年11月13日号