福岡ソフトバンクホークスが4勝1敗で日本一となった2014年の日本シリーズ。今シリーズのベンチ裏で一番盛り上がったのは、第2戦が行なわれた甲子園球場に楽天監督を退任したばかりの星野仙一氏が登場したときだった。
群がる報道陣を前に、「オレが来ても別に何てことはないやろ。(ソフトバンクの)王(貞治)会長に挨拶に来ただけや」と素っ気なかったが、王会長への挨拶の意味について、星野氏に近いスポーツジャーナリストはこのように明かす。
「星野さんは面倒見のいい人物。楽天を去るにあたって“部下”たちの再就職の手助けをしている。また自分とともに退団する佐藤義則、鈴木康友両コーチについてはソフトバンク行きが確実視されている。彼らを引き取ってもらったことに謝意を示したのです」
ただ、甲子園にわざわざスーツ姿で駆けつけたのには他の目的もあったと推測されている。
「来季の続投が決まったとはいえ、1年契約の和田監督の後任問題は継続中。来季は明大の後輩である平田勝男・二軍監督の一軍ヘッドコーチ昇格が決まっているし、1年後の星野監督復帰説も根強く囁かれている」(同前)
報道陣から「ひょっとして阪神入りですか?」と声が飛ぶと、「アホか」と、まんざらでもなさそうにニヤリと笑った。
※週刊ポスト2014年11月14日号