福岡ソフトバンクホークスが3年ぶり6回目の日本一となった。5試合行われたシリーズ戦のベンチ裏では、楽天監督を退任したばかりの星野仙一氏が登場するなど、来季の人事をめぐって様々な動きがあったとみられている。一方、そうした動きがあることを知ってか知らずか、阪神の和田豊監督はこんな“ポカ”をやらかしていた。
阪神は第3戦に備えて27日の移動日に敵地のヤフオクドームに到着。なんと試合前日なのに公式練習を行なわなかったのだ。これは相当異例のこと。
和田監督は「予定通り」と説明したが、短期決戦で休養が必要なタイミングではないし、試合経験の少ない球場で練習できる貴重な機会だった。人工芝の状態や、クッションボールの処理法など、チェックすべき点は多々あったはずだ。
案の定、1勝1敗で迎えた敵地での第3戦ではそのツケが出た。4回裏1死二塁の場面で、細川亨が空振りしたボールを捕手・鶴岡一成が後逸。細川が振り逃げで生きる一方、広いファウルグラウンドに転がる球を鶴岡が見失った。投手・藤浪晋太郎のベースカバーも遅れて二塁走者・吉村裕基の生還を許し、2点目が入る。その第3戦、そして翌日の第4戦と続けて、鉄壁を誇った守備から崩れて連敗を喫している。
準備不足がシリーズの流れを止めたといわれても仕方あるまい。
※週刊ポスト2014年11月14日号