投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、11月3日~11月7日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は、4日に開催される年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のガバナンスを議論する検討作業班の第1回会合、7日に発表される米国10月の雇用統計に注目する展開となる。
リスク要因は、イスラム国を空爆している有志連合国でのテロの可能性、エボラ出血熱の感染拡大懸念、第2次安倍政権の閣僚のドミノ辞任、地政学的リスク(ウクライナ情勢、中東情勢)の緊迫化などが想定される。ただし、GPIFによる外貨建て資産への投資増額期待は一段と高まっており、ドルの下値は限定的だと予想される。
【年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)改革】(4日)
GPIFのガバナンスを議論する検討作業班の第1回会合が開催される。年金改革の進展は、安倍トレード(日本株買い・円売り)第2幕の幕開けが近いことを示唆することで、日本株買い、円売り要因となる。
【米国の10月の雇用統計】(7日)
米国の10月の雇用統計の予想は、失業率が5.9%で9月の5.9%と変わらず、非農業部門雇用者数は前月比+23.0万人で、9月の+24.8万人からの増加幅の減少が見込まれている。
予想通りに雇用情勢が改善した場合、12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げまでの「かなりの期間」という時間軸が削除される可能性が高まることで、ドル買い要因となる。予想に反して雇用情勢が悪化した場合は、低金利政策の長期化観測から、ドルは上げ渋る展開となる。
【米国サイドのドル買い要因】
米国財務省が「インバーション(税率の低い国への本拠地移転)規制」を打ち出したことで、年末に向けた米国企業による利益送金(ドル買い)圧力が強まる可能性が高まっている。また、カーニー金融安定理事会(FSB)議長が、国際的に重要な巨大銀行18行に対して、自己資本比率の増額、保有資産のリスク評価の厳格化を要請しており、ドル買い圧力が強まりつつある。
11月3日-7日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。