閣僚に次々と政治資金疑惑が発覚し、すでに2人の大臣が辞任に追い込まれた安倍内閣。今後辞任する大臣が誰かはさておき、後任大臣の最有力候補に挙げられているのが野田聖子・前自民党総務会長だ。その野田氏にも政治資金パーティーで出席者にクオカードを配布した問題が明らかになった。地元選挙区から出席した後援者たちもいたから、有権者に「金券」を配ったことになる。
クオカード配布の手口は野田氏を「政界の姉」と慕う小渕優子・前経産相にも受け継がれていた。
今年6月17日、小渕氏は東京プリンスホテルで盛大なパーティー「小渕優子君を励ます会」を開いた。地元の後援会連合会会長が乾杯の音頭を取り、来賓の挨拶を終えると、小渕氏は「3代目」となる2人の息子を演壇でお披露目した。
閉会の時、出席者には挨拶状と、小渕氏と2人の息子をイラストにしたクオカード(500円相当)が入った白い封筒が渡された。
今年の政治資金収支報告書は1年後にならなければ公開されないため、小渕氏が何枚のクオカードを配布したかは不明だが、野田氏同様、カネを払わずに参加した地元有権者が一人でもいれば公選法違反の疑いが強い。
国会議員の事務所ではパーティー券には通し番号を打って販売先(寄付者)のリストを作り、パーティー出席者には全員記帳してもらうのが通例だ。地元から多くの有権者が参加する場で「金券」を配布する以上、違法寄付にならないためにもそうしたチェックをかけるのは当然のことで、「確認を取っていない」では通用しない。
※週刊ポスト2014年11月14日号