日本には創業1000年を超える「超老舗企業」がある。その中のひとつが、創業1297年、城崎温泉の老舗旅館「古まん」(兵庫県豊岡市)だ。
日本の長寿企業第4位で717年に創業。高僧・道智上人が難病に苦しむ城崎の民を救うため1000日間八曼陀羅経を唱えて祈願した時に湧泉。この地に建てられた温泉宿は「曼陀羅屋」と名付けられた。その後、「古曼陀羅屋」「古まん」と名を改め現在に至る。
「山間で川にも挟まれる狭い土地柄なので、大きなホテルには建て替えられません。しかし、だからこそ昔ながらの温泉旅館として長く続けることもできたのでしょう」(日生下民夫社長)
全室異なるデザインで造られた数寄屋造りの客室が30室あり、そのうち3室には露天風呂が付く。松や槇、檜の古木を使った大浴場は2つ。食事はこれから旬を迎える松葉ガニを堪能できる。
写真は唯一専用の庭がある客室「麗雅の間」の檜の露天風呂。池では40センチ級の錦鯉が優雅に泳ぐ。
◆ナビゲーター:春馬ゆかり/1978年生まれ。温泉ソムリエ(アンバサダ)の資格を持ち、『秘湯ロマン』(テレビ朝日系)やドラマ、映画に出演中。
撮影■佐藤敏和
※週刊ポスト2014年11月14日号