「私学の双璧」として130年以上張り合ってきた名門のパワーバランスに異変が生じている。各分野で早稲田が凋落を見せ、ライバル関係が崩れてきているというが、真の「大学の実力」は学力やスポーツだけでは計れない。本誌は独自の指標で、早慶のOB・学生の“優劣”をあぶり出した。
カネが人生のすべてではないが、社会人なら最も気になるのは「年収」だろう。早慶OBには、年収面でも明確な差が現われるようだ。
転職支援サービス「DODA」に登録した両校の卒業生を比較してみると、早稲田OBの平均年収は572万円、一方の慶応OBは632万円だった。日本のサラリーマン男性の平均年収は502万円で、両校とも大きく上回るが、ここでは慶応に軍配が上がった。
年収差に大きな影響を及ぼしているのが「就職先」だろう。『週刊ポスト』8月15・22号で調査した「就職ランキング200社」によれば、高給で知られる総合商社では慶応が早稲田を圧倒している。慶応は三菱商事、三井物産など大手5社すべて採用人数トップ。メガバンクなど金融系も、三菱東京UFJ銀行、みずほフィナンシャルグループなど慶応が優勢だ。
「早稲田の牙城」と思われていたマスコミでも、テレビ東京や日本テレビでは慶応が多数派になるなど、逆転現象が起きている。
※週刊ポスト2014年11月14日号