中国南部の広東省韶関(しょうかん)市郊外にある世界自然遺産・丹霞山(たんかさん)。山腹に屹立する男性器ソックリな巨大岩石「陽元石」を見上げると、あまりのサイズ感に圧倒される。性器型の自然造形物は日本でも珍しくはないが、さすがは中国大陸、スケールが違う。
直径7メートル、高さ28メートルと、我々の持ち物の約200倍。大きさだけでなく、カリ首の張りや包皮のたるみなど、見れば見るほどリアルである。近くには女性器ソックリの「陰元石」もあり、人気スポットになっているという。
セックスへの興味は中国人とて変わらないが、多くの場合、それは「アート」や「性文化」の名のもとに展示される。一応、単なるエロはダメということなのだろう。
中国各地に点在する「性文化博物館」の館内では古代の性玩具や春画などが展示されているが、屋外に展示される彫像がシュールなのも、無理して「アート」や「文化」にこじつけているからだろう。そしてこれらの「エロアート」の多くの共通点が、程なくしてなくなり、また現われるということ。各地の「性文化博物館」もお引っ越しを繰り返しているのだ。
そんな中、来年には江蘇省でアジア最大の「性文化博物館」がオープンするという。はたしてどんな内容になるのか……。
●写真/西谷格(ジャーナリスト)
※週刊ポスト2014年11月14日号