「生涯現役」を実現する手段として「シニアバイト」に注目が集まっている。とはいえ、どのように仕事を見つければよいか戸惑う人もいるだろう。
特別な技能や職歴がなければ、手っ取り早いのは全国約1300か所ある地域の「シルバー人材センター」に登録することだ。ここで紹介される仕事は「臨時的かつ短期的又はその他の軽易な就業」とされ、草むしりや庭木の剪定、室内清掃などが多く、気軽に小遣い程度に稼ぎたいという人に向いている。
登録の際に警備員など希望する職種を申告しておけば、各家庭や民間企業、自治体の求人をセンターがマッチングしてくれる。「警備員の求人などは都市部に多く、地方では少ないなど職種によって地域によるばらつきがある」(全国シルバー人材センター事業協会)ので、必ずしも希望職種がすぐ見つかるわけではない。
もう1つは「ハローワーク」を有効活用すること。現役世代だけでなく、定年後の高齢者でも利用できる。
その際にはちょっとしたコツがある。ハローワークの事務所に出向く前に、インターネットで下調べしておくのだ。「ハローワークインターネットサービス」はフリーワードで検索でき、「65歳以上」、「年金受給者」などで検索すれば、効率的に仕事を探せる。
希望する曜日や時間帯で、シニアの利点を活かしたい。例えばシニア求人の多い警備員の場合、土日や17~9時の夜間を選択すれば採用される確率が高くなる。
それ以外にも、リクルートの求人サイト「タウンワーク」などネットの求人サイトも最近はシニア向けの求人情報が増えている。地域(最寄駅)、職種、給与、雇用形態でやりたい仕事を絞りやすい。
意外に活用できるのが「妻」だという。シニアライフアドバイザーの松本すみ子氏はこう語る。
「定年後の生活の場となる地域に密着しているのは、ご主人よりも奥さんです。奥さんの知り合いなどを れば、“商店街の○○でアルバイトを募集していたわよ”などと耳よりの情報が出てくる。他にも頼りになるのは先に定年退職した勤め先の元上司。第二の人生の先輩ですから、具体的な仕事先やアルバイトの指南役になってくれるはずです」
定年はまだ先という人も“備えあれば憂いなし”。「東京しごと財団」(飯田橋)では、55歳以上の人を対象にした「高年齢者のための就職支援講習」を開講している。
受講が仕事に結び付くわけではないが、ビル管理、マンション清掃、警備員などの仕事内容を学べるので、自分の適性を予め知っておくことができる。
※週刊ポスト2014年11月14日号