大小便やセックスなどの下ネタをおおっぴらに語ることは、共産主義下の中国では長らく抑圧されてきた。それゆえ、タブーが解禁されつつある現在の中国では、“下ネタ=今っぽい”というイメージがあるようだ。
そんなイメージを体現したのが『便所餐庁』というレストラン。随分とストレートなネーミングだが、流行りに流行って、現在では中国大陸に22店舗、台湾に3店舗を展開する人気チェーン店なのである。
店内に入ると、客たちは洋式便器に座って食事をしながら談笑している。ガラス製の食卓の下にデカデカと置かれているのは、ウンチの置き物だ。
看板メニューは和式便器に盛られた「馬桶(=便器)5号」という名のチョコレートアイス。リアルな色と質感にまるで食欲が湧かないが、客たちは「面白いねぇ」といいながら笑顔でパクパク。日本にオープンしたら、この店流行るだろうか……。
●写真/西谷格(ジャーナリスト)
※週刊ポスト2014年11月14日号