子育て事情は各国さまざま。ナイジェリア出身のタレント、ボビー・オロゴンさん(41才)は、日本と母国の子育ての違いについて、こう語る。
「うちの長男は15才なんだけど、今でもたまに、ダイニングに座って『お母さん、ごはんまだ~』なんて言うことがある。『それくらい自分でやれ』って叱るんだけど(笑い)。ナイジェリアでは、小さな頃から自分のことは自分でできて当然。きょうだいで役割を決めて家の手伝いをするから、自然と何でもできるようになる。おれも父親に教えてもらって、9才の時には車のタイヤ交換までできたほど」(ボビー・以下「」内同)
最近では、子供を叱らない友達のような親子も多いが…。
「子供の頃は、親がいちばん正しいと教えられていて、おれたちは、手伝いを任されようが、誰も文句なんて言わない。むしろ、自分に役割があることに責任を感じられるようになるんだよね」と、当時を振り返る。
一夫多妻制のナイジェリアは、大家族のことが多く、ボビーさんにも34人のきょうだいがいるという。けんかはなかったのだろうか?
「年功序列がしっかりしているから、たとえ1才しか違わなくても、年が上なら敬語で話し、敬っていた。だから、けんかをしても、上のきょうだいのいうことは素直に聞くし、自分たちで解決していたよ」
さらに、お母さんが違っても、きょうだいたちは一緒に、平等に育てられるのがナイジェリア流だという。
「子供たちは“希望の鏡”と呼ばれ、大人みんなで育てるという意識が強い。だから、どこのお母さんも、自分が産んだ子供と他の奥さんの子供、さらに他の家の子供までも自分の子と同じように扱うのが普通だった。隣家のお母さんの具合が悪ければ、うちで子供たちを預かったり、なんてことがよくあったし、いたずらをすれば、近所の人から直接怒られた。少し前の日本もそうだったとか。今でもロケで地方へ行くと、そういうコミュニティーがあって、なつかしさを感じるよ」
※女性セブン2014年11月20日号