財政赤字が拡大し、国の借金は1200兆円にものぼり、政府は財政再建を錦の御旗に消費税10%への増税に突き進む。ところが、「景気対策」と称して繰り返された杜撰な巨額公共事業によって、国民の血税が泡と消えているのだから、生活費を削って納めた国民は馬鹿を見るだけだ。そんな“欠陥事業”のなれの果てのひとつが、鹿児島県枕崎市の枕崎空港だ。
1991年、国の全国総合開発計画の一環として11億円の予算で建設された国内初のコミュータ空港。鹿児島空港などへのセスナの運航を目的としたが、利用者は伸び悩み、累積赤字が8億3500万円となり、2003年に事業継続を断念した。
その後、2005年まで空港跡地への刑務所誘致を試みたが話はまとまらず、2013年に正式に廃港。今年9月、跡地を貸与された民間企業2社が27億円で大規模太陽光発電所を建設した。
敷地面積約13万平方メートル。現在はのどかな田園風景の中に3万3544枚の太陽光パネルが並んでいる。空港ターミナルビルは発電所の見学・学習スペースに姿を変えた。
撮影■太田真三
※週刊ポスト2014年11月21日号