「動き出しています、社会保障!」
「子育て、医療、介護、年金──消費税率の引き上げ分は社会保障に着実に使われています」
黄色のワンピースを着た人気子役の芦田愛菜が画面の右から左に歩きながら、“消費税増税の効果”をハキハキとアピールするCMが10月25日から31日にかけて全国39のテレビ局で放映された。
このCM制作費用は政府広報費という税金から捻出された。「安心をずっと! 元気をもっと!」──子役に罪はないが、国民は安心もできないし元気にもならない。
テレビだけではない。同25日付の全国70紙に掲載された新聞広告では、やはりニッコリ微笑む子役の横に〈消費税率の引き上げ分は、すべて、社会保障(子育て・医療・介護・年金)の充実と安定化のために使われています〉という言葉が躍った。
テレビも新聞も発注元は内閣府政府広報室だ。政府の広報活動や世論調査などを通じた広聴活動全般を取り仕切る部署である。
前述のCMで、テレビに計約7000万円(1局あたり平均約180万円)、新聞各紙には計約9000万円(1紙あたり同約130万円)の計1億6000万円が支払われた。
広告は他にもウェブ・サイト(ヤフー、アマゾンなど4社)やラジオ(ニッポン放送系列のAM全国33局)、雑誌(週刊文春など5誌)にも掲載または掲載予定で、総額は約2億6000万円にのぼった。
※週刊ポスト2014年11月21日号