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森祇晶氏 伊東・工藤・大久保・田辺「弟子監督」の長短分析

 監督として獅子奮迅の活躍を見せてくれるのは誰だろうか──。来季のパ・リーグ監督には西武の黄金時代のメンバーだった4人が名を連ねている。

 1986年から1994年まで西武監督として彼らを率い、9年間でリーグ優勝8回、日本シリーズ3連覇2回の成績を残した名将・森祇晶氏の目に愛弟子たちはどう映っているのだろうか。森氏が語る。

「秋山(幸二)の後を継いだ工藤(公康)は、色んなチームを渡り歩き、“優勝請負人”として結果を出してきた。その経験は、大型補強も多いソフトバンクでは、移籍してきた選手の使い方などで活きるでしょうね。ただ、日本一のチームを引き継ぐプレッシャーから、優勝を意識し過ぎて、采配が守りに入ってしまうことだけが心配だね」

 では、森氏が現役時代に「すべてを任せていた」と語るロッテ・伊東勤監督の今年4位からの巻き返しはあるか。

「伊東は西武でやっていたピッチャーを中心とした守りの野球をやりたいんだと思う。人材を見つけ、育てながら勝つという一番難しいことに挑戦しているのが彼ですね。ただ、今のロッテはあまりにも駒が少ないですね」(同前)

 現役時代“守備の名手”と謳われた西武・田辺徳雄新監督も、伊東同様に守備に重きを置いてチームを作りそうだ。

「地味だけどとにかく実直な男。野球をよく知っているので、やはり攻撃よりも守りを重視するでしょう。彼はコツコツと努力する粘り強さを持っているから、いい結果を出すんじゃないかと思いますよ」(同前)

 そして、「不祥事もあったが、それを野球に対する情熱で乗り越えた」と森氏が評するのが、西武時代は代打やDHでの出場が主だった楽天・大久保博元新監督。

「アーリーワークなど厳しい練習で若手を育て、上を目指すというのは、楽天というチームに合った方針だと思う。ただ、選手の順位付けなど目先のウケを狙ったものは長続きしない。そこは注意してほしい」(同前)

 最後にどのチームに勝ってほしいか聞いてみると、「全員、教え子だからね。どこを応援していいか分からないよ(笑い)」とのことでした。

※週刊ポスト2014年11月21日号

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