「うちわと解釈されるならば、うちわとしての使い方もできると思います」(松島みどり・前法相)
「地元の秘書がSMバーを利用した。私にはそういう趣味はない」(宮沢洋一・経産相)
恥も外聞もない閣僚たちの言い訳を聞かされて、辟易としている国民は多いだろう。だからといって“スキャンダルはもうたくさん”といえば、喜ぶのは腐敗した政治家たちである。そういう世論誘導に乗ってはいけない。
西川公也・農水相の恥知らずな釈明も当然許してはならない。
本誌・週刊ポスト11月7日号は西川氏が代表を務める自民党栃木県第2選挙区支部が親族企業に「歳暮代」「タイヤ代」などとして4年間で計100万円近くを支出していた問題をスクープ。
本誌発売直後に記者に囲まれた西川氏は、「一番便利。早い。確実」「買った先がたまたま親族企業だった」などと開き直った。
そして今度は本誌前号が報じた「利益誘導失言」に、西川事務所からさらなる呆れた“釈明文”が届いたので公開する。
西川氏の問題発言が飛び出したのは10月24日。愛媛・松山市長選(11月16日投開票)を控え、地元の塩崎恭久・厚労相が推す新人候補・滝本徹氏への応援演説に駆けつけた場面だった。
西川氏は約4000人の聴衆を前にこんな迂闊な発言をした。
「(滝本候補を)必ず当選させてくださいますように。これがなかったら、農林水産業の予算つきにくいからね。減らすとはいわない。つきにくい」
誰が聞いても農水大臣が農水予算と引き替えに票を出せと露骨に要求したとしか理解できない。問題はそれでは終わらなかった。本誌が西川事務所に尋ねたところ、こんな説明が書面で返ってきたのである。
<(前略)西川大臣の発言については、大臣の発言持ち時間の終わり頃で、十分に言葉が尽くせなかった面があったことは事実です>
まずは失言であることを認めた上で、“本当にいいたかったこと”として、言葉を尽くしてこう説明した。
<「滝本徹候補は農林水産業を含む地域振興に造詣が深く、アイデアマンで、かつ地域での取り組みにも熱心であるところ、このような方が市長になり、強力に地元をまとめ、中央にも画期的な政策を提案してくることになれば、当然新たな農林水産予算の獲得にも結果的につながるであろう」との趣旨>
「予算つきにくいからね」の一言に、これだけ深い意味が込められているとは、浅学の本誌記者には到底読み取れなかった
※週刊ポスト2014年11月21日号