ペナントレースが終わり、球界はいよいよストーブリーグに突入した。今季はMLBも絡んだ選手の大移動が予想されるなか、FAによる阪神・鳥谷敬のメジャー挑戦が確実視されている。
今年のメジャーのFA市場は野手が小粒で、特に内野手が不足している。鳥谷はWBCで二塁や三塁を守るなど、遊撃手以外の守備も問題ない。今季甲子園に視察に訪れたタイガースやロッキーズ、ジーターが引退したヤンキースなども候補として挙がっているが、最も可能性が高いといわれているのはどこか。
MLB研究家の福島良一氏はこう語る。
「今年ワールドシリーズに出場したロイヤルズです。二遊間はインファンテ、エスコバルが固め、三塁にはポストシーズンで絶好調だったムスタカスがいる。付け入る隙はないように見えるが、球団は内野ならどこでも守れるという鳥谷のユーティリティプレイヤーぶりを高く評価している。何よりチームには青木宣親獲得の成功体験があり、日本人野手を好意的に見ていることも追い風です。
対抗といわれているのがブルージェイズ。内野が慢性的に不足している球団で、連続出場を続ける鳥谷の丈夫さは魅力的。日本シリーズにはブ軍の要人が訪れ、鳥谷に熱視線を送っていました。
鳥谷のように出塁率の高い選手はアスレチックスも獲得に乗り出しそうですが、正直いってかなり微妙。中島裕之の失敗が尾を引いています」
※週刊ポスト2014年11月21日号