戦後70年となる来年に向け、中国政府は9月3日に行われる抗日戦争勝利の記念式典に各国の参加を呼びかけている。
習近平国家主席の最終目標は、米国オバマ大統領を記念式典に招くことだ。このため、「Victory over Japan day」すなわち、「対日戦勝記念日」としての側面を強調する。評論家の室谷克実氏が解説する。
「中国は戦勝国側の理論を利用し、式典を『対日戦争・反ファシスト戦争』の勝利記念日と位置づけています。習近平はファシズムに対する勝利という大義名分でオバマ大統領に記念式典への参加を呼びかけるでしょう」
「反ファシズム」という名目ならば、自由と民主主義を無二の価値として掲げる米国の大統領としても受諾しやすい。逆に式典参加を拒めば、「ファシズム」に迎合すると受け止められかねない実に狡猾な中国の戦略である。
※SAPIO2014年12月号