最愛の恋人が亡くなる2週間ほど前、浅野ゆう子(54才)はひとり、故郷・神戸へ里帰りをしていた。
女手ひとつで育ててくれた母親(82才)との母娘水入らずの時間。行きつけのコーヒーショップへ豆を買いに行ったり、近所を散歩するなど穏やかな時間をふたりで過ごした。そして神戸の実家を彼女が離れる際、こんなやりとりがあったという。
「玄関先でお母さんがゆう子ちゃんに“ひとりで抱え込まないでね”って。すると、ゆう子ちゃんは“わかった、わかった”と空返事をするだけでした。そして、迎えの車にゆう子ちゃんが乗り込もうとすると、お母さんが“やっぱりお母さんは反対だからね!”って大きな声で叫んでいました」(目撃した近所住民)
浅野の母親が反対したこととは、娘と恋人・田宮五郎さん(享年47)との“結婚”だった。浅野は結婚を反対する母親を説得するために、里帰りしていたのである…。
「実はゆう子ちゃんのお母さんは田宮さんの病気をきっかけに結婚に反対するようになったんです。もし田宮さんが回復しなければ、娘は死ぬまで苦労することになるからと。お母さんは“ゆう子の手助けがないと田宮さんはひとりでは生きていけない。娘のことを考えると、私は賛成できない”と言っていたみたいなんです」(浅野の母の知人)
それからほどなくした11月2日早朝、田宮さんは浅野と同棲する都内の超高級マンションで、くも膜下出血を再発してしまう。足下がふらつき、崩れ落ちたという田宮さん。そんな恋人の異変に気がついた浅野が救急車を呼び、都内の病院に搬送した。専門家がこう話す。
「くも膜下出血の場合、一般的にはバットで殴られたような今まで経験したことのない激しい頭痛に襲われ、嘔吐も伴います。さらに出血が広がると、脳に大きなダメージが及び、痙攣したり突然気を失って倒れることもあります」(上野毛脳神経外科クリニック・小林信介院長)
田宮さんは2012年4月にもくも膜下出血を発症しており、これが2度目となる。それでも結婚を誓った相手が、震えながら倒れていく姿は、浅野にとっていたたまれない光景だったことは想像に難くない。
「病院に緊急搬送された田宮さんに浅野さんは付きっきりだったそうです。しかし、一度も意識が戻ることなく、11月6日未明、田宮さんは彼女に看取られて息を引き取りました。病室で浅野さんは、ずっと彼の手をギュッと握って、“生きて”“逝かないで”と最期まで声をかけ続けていたそうです。田宮さんを失った浅野さんは憔悴しきっていて、神戸から上京したお母さんが、彼女を励ましているみたいですね」(浅野の知人)
11月8日には近親者のみで密葬を済ませたというが、浅野の心にはポッカリ穴が開いたままだ。
※女性セブン2014年11月27日号