本誌で繰り返し追及してきた“年金自動カット装置”である「マクロ経済スライド」という制度による受給額カットが、いよいよ来年から始まる見込みとなった。
国民にはほとんど知らされていないが、厚労省は96年後の2110年まで「減額率」の見通しを作っている。年金役人が勝手に決めた「年金カット計画表」を明らかにする。
厚労省の「カット計画」をもとに、20歳で働き始めて60歳で定年を迎えるまで平均的な月給を受け取った夫と専業主婦の妻の将来の合計受給額をシミュレーションしたのが以下の一覧だ(社会保険労務士の北村庄吾氏監修)。
●現在の年齢35歳:65歳時13.7万円/85歳時9.8万円
●現在の年齢45歳:65歳時18.0万円/85歳時12.6万円
●現在の年齢55歳:65歳時20.4万円/85歳時15.0万円
●現在の年齢65歳:65歳時22.6万円/85歳時18.0万円
いずれの世代でも20~30%、受給額はカットされることになる。
※週刊ポスト2014年11月21日号