内閣府の調査によれば、60~69歳の36.4%、70歳以上の24.1%が犬や猫など何らかのペットを飼っているという。高齢の飼い主がペットより先に亡くなることで発生するトラブルもある。飼い主自身が存命中に準備できるのが「ペット信託」だ。
平均的な寿命までの食事代、健康診断費用などに加えて葬儀や埋葬費、信託報酬預託金などを足した「飼育費用預託金」を支払うことで、飼い主の死後、NPOメンバーや獣医らがペットの世話をしてくれるシステムだ。
「信託する動物の種類や大きさによって異なりますが、余命10年の犬のモデルケースで約230万円です。高齢者に何があっても残されたペットが不幸にならないよう、このシステムを考案しました」(ペット信託を考案したNPO法人ペットライフネットの吉本由美子理事長)
契約後、飼い主がペットを自ら飼育する期間は、飼育費用預託金の余剰部分を毎年返還する。死亡時だけでなく、高齢でペットの世話ができなくなった場合も飼育介助してもらえるなどのサービスもある。
※週刊ポスト2014年11月21日号