この裁判の判決次第では、今後、テレビ局はアナウンサーの入社試験要項に「水商売のアルバイト歴のあるかたは応募できません」という一文を入れることが義務づけられるかもしれない。
ホステスとしてのアルバイト歴があったことでアナウンサー職の内定を取り消されたのは不当であるとして、東洋英和女学院大学4年生・笹崎里菜さん(22才)が日本テレビを訴えていることが、『週刊現代』(11月22日号)のスクープによって発覚した。
同誌によれば、2011年の『ミス東洋英和』にも輝いた笹崎さんは、来年4月1日に日テレに入社予定の「採用内定者」だった。しかし、今年3月、人事担当者に、「母の知人が経営する銀座のクラブで、3か月ほどアルバイトしていたことがある」という事実を申告したところ、日本テレビ側は5月に「内定取り消し通知書」を一方的に出し、彼女の内定を取り消したのだという。
「女子アナの仕事には高度の清廉さが求められるということで、“ホステスのバイトをしていた女性はそぐわない”と、日本テレビ上層部が判断したそうです」(テレビ関係者)
加えて、日本テレビ側は、彼女が入社試験の過程で昨年9月に提出した『自己紹介シート』に、ホステスのアルバイト歴を記載しなかったことが、「会社への虚偽申告に当たる」と主張、これも内定取り消しの正当性のひとつだと訴えているのだという。
裁判は笹崎さん側が、「入社する権利がある」という地位保全を日本テレビ側に求めるもので、11月14日に東京地裁で始まる。この訴訟について、日テレ局員の1人がこう語る。
「今、局内でも大騒動になってます。“ホステスの何が悪いんだ!?”って。制作や営業の女性社員の中には、キャバクラでバイトしていた人だっているわけですからね。そんなこと誰も、就職活動時に申告なんてしてないですよ。完全なる職業差別です。
彼女は『ミス東洋英和』という美貌に加えて、受け答えも非常に真面目で、アドリブもきくし、局にとって“数年に1度”という逸材という声もあがっていたほどです。アナウンス部としては、入社後はエースアナ候補として育てていく予定だったそうで、上層部には裏切られたという思いが強かったみたいです」
“裏切られた”と思うことが、すでに職業差別なわけだが、『週刊現代』によれば、ホステスのアルバイト歴について、人事部長は本人を前にして、「“傷がついた”アナウンサーを使える番組はない」とまで言い放っていたという。
※女性セブン2014年11月27日号