“性の改革開放”が進む中国では、学生と愛人の二足のわらじを履く女子大生も急増しているという。薄化粧に黒い髪とおとなしそうな外見で、とても「週末愛人」には見えない。上海の有名大学に通う大学4年生(22)に話を聞いた。
「家の近所のバス停でナンパされたんです。私の目の前に彼が運転する高級外車が停まって、『送ってあげる』と声をかけられました」
「彼」は30代で不動産会社の経営者。彼女は翌日食事に誘われておごってもらい、その1週間後の彼女の誕生日に再会した。
「ホテルのとても見晴らしのいい部屋で一緒に過ごしました。友人たちを交えて夜遅くまでパーティを開いてくれたのです。最後には二人きりになって、彼はダイヤモンドをちりばめた8万元(144万円)するカルティエのブレスレットをプレゼントしてくれました。あんなに素敵なものをもらって喜ばない女性はいないでしょうね」
男性の告白を受け入れ、2人は結ばれた。ここまでなら普通の男女交際だが、2人の関係は金銭がつないでいた。彼は「大学生はいろいろお金がかかるでしょ」と毎月3万元(54万円)まで使えるクレジットカードを彼女に渡した。
出会いの場は大学だけではない。クラブもまた未来の愛人と出会える場として知られている。
日本のクラブとは少し違う。部屋は薄暗くレーザー光線が飛び交い、BGMは激しく大音量で、あちらのテーブルではサイコロゲーム、こちらのテーブルでは一気飲み大会と、羽目を外すためにあるような店だ。
クラブに入店してVIPルームに席をとると、やってくるのは「PRレディ」と呼ばれるコンパニオンガールたちだ。彼女たちの大半は大学生アルバイトで、そこで一緒にお酒を飲めるのはもちろんのこと、交渉すれば数千元で「お持ち帰り」も可能だという。そこから愛人契約に発展するケースも少なくない。
PRレディのひとりはこう話す。
「このバイトを始めたのは、学費を自分で稼ぐ必要があるからです。周りの子もみんなやっているし、そんなに特別な仕事だとは思っていません。罪悪感? ありませんよ、ただのバイトだもん。ただ、心配させたくないので親にはこのバイトのことはいってません」
※週刊ポスト2014年11月21日号